広告収入のビジネスモデルに頼らずにフリーペーパーの発行を続けていくことの意味と、「ばらばら。」が目指す関係性で構築する出版モデルについてシリーズで解説しています。
概要
DXが進まない理由として、よく人材不足やレガシーシステム、現場の抵抗などが挙げられます。しかし実際には、「専門が分断されていること」こそが、もっと根深い問題かもしれません。この記事では、制作や業務効率化の現場を例にしながら、DXの本質を「接続を理解すること」として考えます。
ポイント
- DXを阻むのは、専門性そのものではなく分断である
- 前後の接続ポイントを理解するだけで、効率は大きく変わる
- その視点を持つことで、デジタル化すべきところと、アナログでよいところが見えてくる
DXが進まない理由
DXという言葉は、しばしば「新しいツールを入れること」や「業務をデジタル化すること」として理解されます。
もちろんそれも一部では正しいのですが、本質はもう少し深いところにあります。
DXがうまく進まない理由としては、人材不足、レガシーシステム、コスト、現場の抵抗など、さまざまなものが挙げられます。
しかし、現場に近いところで見ると、もっと根本的な問題があります。
それは、業務が分断されていることです。
業務の接続ポイントを理解する
たとえば制作の現場で考えると、営業、編集、デザイン、DTP、印刷、配信、それぞれに専門があります。
それぞれの人は自分の仕事をよく理解していても、その前後で何が起きているかは意外と見えていないことがあります。
「これは知っているけれど、それは知らない」
この状態が続くと、接続のところで手戻りや確認や無駄なやりとりが増えます。
つまり、ロスは工程の中ではなく、工程と工程の間で発生します。
ここで重要になるのが、接続ポイントの理解です。
自分の前には何があり、自分の後には何があるのか。
何を受け取り、何を渡すのか。
そこを理解するだけで、仕事の精度も会話の質も大きく変わります。
DXの本質は、作業を機械に置き換えることだけではありません。
分断されたものをつなぐことです。
そしてそのためには、個別の専門性だけでなく、横断的な理解が必要になります。
デジタル化が全てではない
この視点を持つと、面白いことが起きます。
全部をデジタル化すればいいわけではないことが見えてくるのです。
逆に言えば、「ここはアナログでいい」「ここは人がやった方がいい」「ここだけはデジタルにした方がいい」といった判断ができるようになります。
つまり、DXは全部変えることではありません。
どこを変えると全体がつながるのかを見極めることです。
「ばらばら。」のように、一通りの工程を自分で体験することには、こうした横断理解を育てる意味もあります。
一度でも全体を通ってみると、接続ポイントの重要さが実感としてわかる。
それは結果として、効率化にも、設計改善にもつながっていきます。
専門性は必要です。
でも、分断された専門性はDXを止めます。
逆に、接続を理解した専門性はDXを前に進めます。