印刷業界の展示会「page2024」に出展されていた自動組版に関連する製品を紹介しています。
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2024年2月14〜16日に東京・池袋で印刷・出版業界向けの展示会「page2024」が開催されました。
昨年に引き続き「自動組版普及委員会(ACDC)」として出展しました。
出展側としての総評
展示会の全体的には、相変わらずだなあ(良い意味で)という印象でしたが、今回は、「自動組版」関連のブースをいくつか見てきたので、まとめてみました。
(情報は間違ってるかもしれないので、各製品ページを参照ください。敬称略・順不同)
ここで紹介する製品
- LinkCubeクラウド
- DBPublisher/i
- SUPER DIGITORIAL/EW
- one-d.io
- Quadient Inspire Designer
- to-Link
- サイドボード
- るびこ
- スクリプト作成サービス
- 自動組版普及委員会
LinkCubeクラウド
製品紹介ページ
合同会社リンクキューブ
特長
- クラウド型自動組版
- テンプレートとテキストファイルをクラウド上にアップして、InDesignドキュメントを自動生成
- 自動生成されたidmsをローカルにダウンロードしてInDesignで編集
- データ流し込みタイプの自動組版
- チラシやカタログのコマ生成に使えそう
- クラウド管理なのでテンプレートやデータを共有出来そう
- 段落スタイル、文字スタイルをキーに流し込み(てことは、データソースからの再流し込みも出来る??)
- 組版設定で細かい条件分岐も出来る??
- 画像どうするのかな??
総評
- 自動組版でInDesignファイルを生成したい(自動組版後に編集したい)という要望は多いので、マッチする企業も多いのではと思います。
- ワークフローの中心がInDesignになるので、印刷・制作会社向けかなと思います。
- 現場のニーズから出来たであろう洗練された機能が魅力なので、一度、試したいです。
- (余談ですが、昔うちで、IDMLbinderというおんなじようなをパイロット版で作った気がします。)
DBPublisher/i
株式会社リンクス
製品詳細ページ
特長
- InDesignとデータソースの相互リンクが出来るので、再流し、書き出しが出来る??
- チラシやカタログ向きの自動組版
- InDesign前提なので印刷・制作会社向け
- いにしえのQurak時代からある気がするのでかなりのロングセラー
総評
- 使ってみたいけど、使いこなせるか不安になるぐらい機能が豊富。ワークフローからしっかり設計できる人が必要だなあと。
SUPER DIGITORIAL/EW
製品詳細ページ
NECネクサソリューションズ
特長
- 日本語組版ソフトウェア
- 新聞や学参など、伝統的な日本語組版を再現出来る国産DTPアプリケーション。
- InDesignで設定が多いと思っている人には驚愕するレベルのきめ細かな設定が可能。
- 教科書など学参で必要とされる●研レベルの数式再現をDTPアプリケーション内部で操作可能なのは、多分もうこれだけ。
- 大量ページにまたがる文章、表組の演算処理が速すぎ。いやむしろ、InDesignが遅すぎ。
- InDesignと比べると高額商品なので、それなりの分量を長年面倒をみる案件が欲しいですね。
- 「自動組版デザイナー」で、ExcelやCSVをテンプレートにマッピングして自動組版で出来るオプションもある。(どこかでみたようなUIだけど)
総評
- Dot3の前身WPSのASP型(当時の呼び名で)自動組版のエンジンとして使っていました。安定性とか組版品質に対する信頼性は非常に高かったです。
- 数少ない国産日本語組版アプリケーションなので、頑張って組版業界を支えて欲しいです。
one-d.io
OYC株式会社
製品詳細ページ
特長
- ECサイト(楽天とか)で販売しているユーザーオリジナル商品をデザインできるクラウドサービス
- WEBサイト連携で、one-d.ioに飛ばして、デザインされたデータのidを返す感じ
- スマホ対応
- 事例紹介から実際の販売サイトで試せます。
総評
- この手の連携型自動組版の問合せも増えてきたのですが、とてもシンプルでいいです。あんまり高機能なデザイン編集画面を作ってもユーザーが使えないので、スマホで出来るレベルってのがいいですね。
- 最近はCanvaとかブラウザでデザインできるツールも増えてきたので、違和感やハードルが下がってきた感があるのでアリなのかなと思いました。
Quadient Inspire Designer
株式会社ポーラ・メソッド
製品詳細ページ
特長
- DMなどバリアブル印刷のワークフローを構築出来る。
- Web-API連携も出来そう。
- 紙やデジタルデータなどをOCRをかましたりしながら、DBにぼこっと入れられる。(ここスゴい)
総評
- 結局のところバリアブル印刷って自動組版はマストで、大抵のツールで可能だと思うのですが、その前段となるデータ収集、データベース化をどうするか、というところが大変なのであって、そこを考えていくとこういう仕組みになっていくんだろうなと思いました。開発者の人と話しが出来てよかった。
to-Link
株式会社アスコン
製品詳細ページ
特長
- Adobe Illustratorのプラグイン
- チラシやカタログ制作に使えそう
- パターン置換やデータ入替など実際の制作に必要な機能が揃っている。
総評
- Illustratorのプラグインは昔からあるけれど、InDesignに比べて制御が大変そうなので開発も大変そうなのに、スゴい完成度だなあと思いました。
サイドボード
株式会社ポルタルト(販売:株式会社Too)
製品詳細ページ
特長
- ECサイトと連携出来る(注文フォーム情報と連携できるっぽい)
- PDF生成までしてくれる。
- サービス上(ブラウザ)でデザインテンプレートが作れる
- 実際のデータ作成をしたい人には、触らせない、動かせない部分を設定することも可能
総評
- こういうのをみると、Webからのデータ作成が当たり前になってきて、今度はテンプレート作成も簡単なものならブラウザ上へと移行していくんだなあと思いました。
るびこ(InDesignエクステンション)
法規書籍印刷株式会社
製品詳細ページ
特長
- InDesignのテキストにルビを振ってくれる
- 辞書を選べる(てことは文科省指定の学年別ルビとかも出来る??)
総評
- 法規書籍印刷さんは、InDesignスクリプトをガシガシかける変●エンジニアがいるので他にも便利なツールがいっぱいあり、それを配布している太っ腹な会社です。
- https://houkimedia.com/jsx/
- InDesignって便利ツールを自前でこしらえて使わないと、めんどくてwというところがうちと似ていて昔から仲良くさせてもらってます。
スクリプト作成サービス
株式会社明友社
製品詳細ページ
特長
- WordからInDesignへの変換、ルビ振りなどスクリプト開発を行ってくれるサービスのようです。(期間限定でサンプル版配布あり)
総評
- WordからInDesignとか、めちゃめちゃ大変なのがよく分かるので、サンプルをみると「よぉやるわ」と感嘆しました。
- 学参組版がルーツのようで、うちと似てるなあと。多分制作で使っているであろう便利ツールがいっぱいありそうです。
自動組版普及委員会(ACDC)
-
株式会社アズワン
様々なツールを使いながら制作効率化の提案
紹介ページ
-
AH Formatter(爆速PDF生成エンジン)
アンテナハウス株式会社
製品紹介ページ
-
PMX(CMS+自動組版でマニュアルデータの管理から制作効率化)
株式会社サイバーテック
製品紹介ページ
-
組技(Adobe® Illustrator® / Adobe® InDesign®対応自動組版プラグイン)
株式会社N.ジェン
製品紹介ページ
-
Dot3(データベース連動型自動組版クラウドサービス)
株式会社ニューキャスト
製品紹介ページ
紹介動画
まとめ
自動組版系をまとめてみたわけですが、他にもいくつかあって、今回出展していない(もしくは見落とした)ところも含めると、一昔前に比べるとあれですが、まあまああるよなと。
DXとか制作効率化(働き方改革も含む)の流れもあるので、自動化が出来るところはしていかないとと思うと、知らない人もまだまだいるので、もっと普及していかないといけないなあと思った次第です。