カタログの印刷物は、もう必要ないのか。
情報はWEBにあるから、印刷物はもう必要ないのか。
今まで、流れで作ってきたから、
必要があると思い込んでいるだけなのか。
印刷屋にとっても、DTP屋にとっても食い扶持だから、
今の現実を見ないフリをして、
少なくなっていく仕事でも、まだかろうじてあるうちに、
奪いあって作っているだけなのか。
この流れに逆らうことは、負け犬根性なのか。
今まで我々は、本当に必要とされるものを考えて作ってきたのだろうか。
必要される領域をクライアントにとどめ、
その先にある本当のニーズに寄り添って、
真剣に考えているだろうか。
そもそも印刷物が不要とされ、減っていく原因は、
すでに白旗を上げている我々にある、
ということはないだろうか。
なんていう問答が頭の中で繰り返される。
印刷不要という世相の中で、企業がカタログを作るという行為は、
結果としての印刷物より、その企業にとってもっと重要なことがある。
それは、定期的に作る過程の中で、自社の商品情報を社外出すために、
各所から情報を収集し、整理する作業を集中的に行うことが、
情報がクリーニングされ、その精度を上げるというメリットがあると思うからだ。
この作業をサポートするのがカタログ作りを担当する我々の役目。
今は、情報が様々な用途で展開され、連携させる事を意識した緻密なサポートが必要だ。
それと同時に、クライアント側のデータに対する考え方も変えていく必要がある。
印刷屋に丸投げして作らせるのは、
後にそのデータを活用するアイデアにつながらないので、
結局クライアントにとっても不利益な結果を生み出す。
印刷物を納品する事は、現代の情報化社会では「些細な事」でしかない、
という事を認識し、印刷以外の情報供給手段の中で、
揺るがないデータの精度や、しっかりとした管理で
クライアントをリードすることにこそ、
我々の存在意義があるではないか。
他のメディアコンテンツに比べて、印刷物を作ることは、
クライアントにとって、費用や労力の負担の差が大きく、
効果が不透明である事も、減退の原因だ。
我々は、この課題に対して、内容やニーズを精査してきたか。
ただ減っていく印刷を憂いて、早々に白旗を上げてはいないか。
印刷やWEB制作において、費用、労力、効果のバランスを取る事が出来るのは、
他でもない我々が一番近い位置にいるのにも関わらず、
毎回お祭りのような作り方をしていては、消滅を早めるだけだ。
従来のやり方を根本から見直し、新しいカタログの在り方を考え、
データを中心に考える手法、作るプロセスを重要視する方針への転換が必要だ。
極端な事を言えば、今まで半年かけていたものを、
半月で、人員も半分以下の労力で作る事も出来るはず。
そのためにはどうすればいいかを真剣に考えれば答えは絶対に出る。
その結果で得られるものは、バランスの取れた情報供給の環境だけでなく、
価値のあるデータを作り、運用できる企業としての信頼だ。
我々はそれに向かって進まなければいけないと思う。