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2023-07-14

自動長体〜たかが長体、されど長体(DTPと自動組版の違い)

自動で長体をかける方法について解説しています。

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https://xmldo.jp/cms/topics/blog/642a56590cf26f9f5bf75708

今回は、「文字に長体をかける」というよくある作業をピックアップして、効率化する方法をDOT3(自動組版クラウドサービス)でどうやっているかも踏まえて解説したいと思います。

自動組版については、「自動組版とは何か(印刷業界外向け)」を参考にしてください。

ポイント

・面倒な長体調整ってなんとかならないの?

・InDesignであればスクリプトが便利

・DOT3はもっと便利

なぜ長体が必要なのか?

印刷物は、WEBとは違って紙面サイズという制約があるので、「ある範囲にモノ(文字・画像)を収める」ための調整作業が必要となります。

例えば、縦横50x50ミリの範囲に文字を入れたいけれど、文字がはみ出してしまう、といった場合に、「文字の横幅を小さくして収める」という調整作業を行います。

文字を小さくして入れる場合もありますが、デザイン的に文字サイズのバラツキはよろしくないので、長体をかける方が優先となります。

DTPの長体調整は地味にめんどい...

InDesignやIllustrator、Wordなどのドキュメント作成ツールでは、長体を数値で変更します。

自動で収まる長体率に一発でしてくれる機能はないので、数値をカチカチ変えながら「おー入った入った」みたいな感じで作業します。

例)InDesignの場合(文字を選択して、文字パネルで長体を設定する)

一発で良い感じの長体に出来ないの?

「このぐらいかなぁ」とか考えながら、マウスでカチカチ数値を変えるのは、地味で面倒です。僕は苦痛です。

文字数が変わったらやり直しになることと、作業中にどこかを間違えて触ったり、調整モレがあったり、そしてそれを校正する方も大変…ですよね?

なので「なんとかなんないの?」と考えている人は多いと思います。

InDesignの場合はスクリプトが便利

InDesignでは、次のようなスクリプトで、ちょうど良い長体率に一発でしてくれます。

・対象:ドキュメント全体もしくは選択されたテキスト枠

・検知:文字が溢れているところ

・動作:入りきるまで長体率を下げる

 

このスクリプトは、汎用的に使えるので、うちの制作現場でもいろんな案件で使っています。

InDesignの場合、溢れている箇所をエラーとして出してくれるので、チェックしやすいのも助かります。

DOT3(自動組版)の簡単長体ルール設定

DOT3では、テンプレートに長体設定を仕込みます。

テキスト枠のスクリプトラベルの記述で長体を制御します。

(DOT3のテンプレートはInDesignで作成します。スクリプトラベルはInDesign標準機能です。)

範囲に収まるように自動で長体をかける

例えば、

OVERFLOW : full

と書くと、テキスト枠に収まる長体率が自動でかかります。文字が増減しても気にしなくても勝手に長体をかけてくれます。

この設定は、テキスト枠ごとに設定できるので、「ここは長体にしたくない」という場合は、この設定をかかないようにすればいいだけです。

 

自動組版の結果例)OVERFLOW : full

長体制限を80%にする

「長体は80%までにしたいんだよね」という場合は、下記のように書きます。

OVERFLOW : full_80

自動組版の結果例)OVERFLOW : full_80

 

このように、テキスト枠ごとにルール(組版仕様)を設定できます。

・入るまで長体をかける

・●%まで長体をかける

・長体をかけない

 

これだけでも効果が出ます。

作業時間の削減

誰がやっても同じ結果(校正も楽!!)

 

ルールが変わったら?

制作あるあるですが、途中でルールが変わったりすることが多々あります。

InDesignの場合、対象箇所をチマチマ直すしかありませんが、DOT3の場合、テンプレートのルール設定を変更して、再レンダリング(PDF生成)を実行すれば新しいルールが適用されます。

作業する人は、ボタンを押すだけなので細かい話や操作は不要です。

 

補足:その他の長体設定など

上記の「full」は、主に文章に対してですが、

行ごとに長体をかけたい場合もあります。

 

収まらない行だけ長体をかける

この場合は、multiを使います。

OVERFLOW : multi

行毎に収まる長体率になるのでバラツキは発生しますが、こういう使い方もよくあります。

自動組版の結果例)OVERFLOW : multi

 

文章中の一部だけを長体にする

文章の一部に長体をかけたい場合は、タグを使います。

入力欄で、以下のようにタグを追加します。

DOT3の入力画面の例)

 

自動組版の結果例)

 

参考)タグを使った追い込みの入力例(追い込みタグ、文字間タグ)

{追}追い込んで1行で表示したいところ

一部だけ{ls:-0.1em}文字を詰めたい箇所{ls}に使う文字間タグ

まとめ

長体調整の作業は、やってみると分かるのですが、とても面倒です。

しかもこれが一回で終わらず、文字数によって長体率が違うので、文字数の増減があれば、やり直しになります。

この「やり直し」というのが、効率の低下、ミス発生に繋がっていることは明らかなので、何かしらの手段を考えないといけないですね。

DOT3では、「テンプレートにルールを仕込む」という方式(他に「フィルタ機能」でのルール適用もあり)なので、作業する人も楽ですし、校正する人も楽になります。

このことは、「人が細かい仕様を把握しなくてもいい」となるので、専任の担当者でなくても「誰でも出来る」ということに繋がっていきます。

 

 

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